ダブル尚についての考察
ダンスミストレスをしようと思ったのは昨年初めて自分で作品を公演した際に
その制作途中に作家としてディレクション能力の未熟さを痛いほど経験し
今年は自分が思い描く世界を出演者やスタッフ達とどのように共有していくか、
そしてリハーサルのディレクションを方法を開拓していきたいと考えていました。
そんな中、尚子さんが今年の705公演に向けて今までない試みで
準備しているのを見て是非参加したいと思いました。
それは『ひとりで作らない作品作り』です。
(これについては天国対談2をご覧下さい)
これまで尚子さんは振付、演出、音楽、衣装、照明、制作を
すべて一人で考えてやっていたのですが
今回はそれをすべてそれぞれを専門としている作家と共にアイディアを出して
作品を作り上げていくという方法でした。
つまり周りからがんがん意見が出てくるんだけどそれに振り回されてるのか、
それとも作品のビジョンを持ちつつそこをどう周りの意見を
受け入れて膨らましていくのか。
まさに今、私が模索したい事をこんな身近な人が実践しようとしているのに
参加しないのは馬鹿だ!!と思い速攻で志願し
晴れて今回ダンスミストレスという使命を担う事になりました。
リハが始まって感じたのは尚子さんと共同演出家の飯名さんが
(意外と?!)良いタッグな事です。
ふわーっとして見えるけど意外とアツい尚子さん。
理論派だけど意外とロマンチックな飯名さん。
これまでのバックグランドや作品の制作方法、物事の考え方までまったく違う2人が
どのように共同で演出していくのか、途中で大喧嘩になって崩壊するんじゃないかと
内心思ってたりしたのですが2人が作品について話しているのを聞いて
そんな心配はすっとびました。
この作品で目指しているビジョンが2人の中でしっかりと共有できているのが
感じ取れたからです。
作品制作では「フィーリング」と「言葉」の両方を積み重ねていかないとならないと
私は考えているのですがそれを今回2人はそのレイヤーを丁寧に重ねています。
制作現場でもお互いに任せるポイントみたいのが分かってるらしく、
お互いの作品の組み上げ方も理解した上で共同で作業していく方法も
すでにお互い認識しているものがあるようでした。
今日のリハでも演出についてダンサー達に話していたのですが、
2人の話のバトンの受け渡しが見事で熟年夫婦のようでした。
作品は日々刻々と変化していっている途中でして、
まだまだこれから最後の詰め作業に向けて2人が更なる熱いバトルを繰り広げながら
積み上げていくのを最後まで見届けたいと思います。
その制作過程をチラ見しつつ、私はこの作品でダンスミストレスとしての使命を
果たさなければならないのですが
今回、自分に課せた目標は公演を見た人が「705の踊りは○○だった」とか
「705カンパニーにしかない動きだねー」という印象が残るようにする事です。
実はこれまでの公演で何度か「尚子さんの動きがダンサー達に伝わっていない」
と言った悔しい感想があったりしたので今回はその印象を払拭したいです。
いや、します。
705ムーヴメントに興味がある方も、無い方も
菊地尚子、飯名尚人のどちらかしか知らない人も、両方知っている人も、
もちろん両方知らなくても
ダブル尚(尚子と尚人)の世界が掛け合わさった時にどんなものが生まれるのか
是非多くの人に見て感じて貰いたいです。
ダンスミストレス/菅原さちゑ
今回は、さつに本当に助けられてる!
返信削除ビシバシ来てくれ!